5月11日は、母の日です。
子どもだった頃の記憶、自身がその立場となり抱く子どもへの母心、家族の一員として向ける感謝など。
さまざまな立場から抱く「母」という存在への思い。
料理や食卓のシーンを通して感じるそれらも、少なくないのではないでしょうか。
今年、ゆとりの空間では、「つないでいく、わが家の味」と題し、母にまつわる料理や味のエピソードについてご紹介します。
家族とのつながりを大切にできるこの特別な日、ぜひみなさんも思いを巡らせてみませんか。
- ▼栗原はるみの思い出の味
- ・母ドーナツ
- ▼ゆとりの空間スタッフのエピソード
- ・食べるためのひと手間と工夫
- ・いつかふるまいたい、わが家の定番
- ・作り続けてほしい、具だくさんのみそ汁
手作りおやつの原体験
栗原はるみの思い出の味
「母ドーナツ」

朝昼晩の食事はもちろん、3時のおやつもほとんどが母の手作りでした。お菓子用の特別な材料や道具は使わず、卵、小麦粉、牛乳、砂糖、豆、ごまなど、いつも台所にある材料で手早く作ってくれた素朴なおやつ。そこには今どきのケーキのような華やかさはないけれど、少しでもおいしく見栄えよく体にもいいようにという母心が込められていたような気がします。このドーナツもそのひとつ。
栗原はるみ
ゆとりの空間スタッフの
母と料理のエピソード

ゆとりの空間のスタッフ(左から)小澤、小川、向井。今回はこの3人に、母と料理のエピソードについて聞きました。 子どもの頃の母との思い出の料理や、自身が母という立場で、料理に込める思いなど、それぞれのエピソードをご紹介します。
おいしく食べるための
ひと手間と工夫


小川の、記憶に残る母の料理は「きゅうりの酢の物」。
生野菜が得意ではなかった子どもの頃、苦手なきゅうりを少しでも食べられるように、母がよく作ってくれていた料理だそう。
「きゅうりは、板ずりをすることで青臭さが抜けて、味もしみ込みやすくなります。ていねいな下ごしらえと、大好きな酢の味付けのおかげで、苦手なきゅうりもおいしく食べられるようになりました。今思えば、下ごしらえのほんのひと手間や、食べ方の工夫で、味わいが変わることを、その時に教わったように思います。」
それをするともっとおいしくなることを知っている、というのは、料理の楽しみのひとつ。そのことは、今でも料理をするときの基本となっているようです。
もう1つ、母との思い出としてよく残っている料理は「卵焼き」。
お弁当の定番でもある卵焼きを、小川家は、フライ返しは使わず、菜箸で作っていたそう。角型のフライパンとにらめっこしながら、子どもながらに一生懸命、何度も母と一緒に作る練習をした、思い出の料理。今でも卵が余った時には、よく作るという。
「菜箸の使い方は、卵焼き作りで覚えました!そしてうちの卵焼きは、砂糖を入れないので甘くないんです。」
調理道具の基本の使い方を学んだ、たくさんの練習と、それに紐づく甘くない卵焼きの味の記憶。そのシンプルながら特別な味は、今でも小川家に引き継がれています。
いつか母にふるまいたい
わが家の定番


「子どもの頃、わが家にはたくさん人が訪れて、母がよくごはんをふるまっていました。」
スタッフ小澤の実家は、近所の人たちが集まってきては、大勢で食卓を囲む機会が多かったそう。そんなときの定番料理は、母お手製の「コロッケ」。
その場にいる人たちがみんな、「おいしい」とうれしそうに食べていた光景が、記憶によく残っているよう。自身にとっては、今も大好きな母の味。
そんな幼いころの大好物「コロッケ」は、今では、小澤の実家帰省時の定番料理に。
「私が帰省するときは、友人たちがうちに集まってくるので、母がコロッケをふるまってくれるんです。」と、時が経っても、人が集まるときに作り続けられる小澤家の味。
「昨年の入社後、集まりごはんが好きな母へ、自社商品の『リムトレー』を贈りました。今はまだ、揚げもの料理は、私にとって少しハードルが高いのですが、今度実家に帰るときには、自分で作ってリムトレーに盛りつけて、母にふるまってあげたいと思います!」
入社以来、社内で料理する機会も増え、レパートリーも増えてきた小澤。
近い将来、お母さんにその成長を披露しつつ、ゆくゆくは、自身の集りごはんの定番にコロッケが加わる日も近そうです。
作り続けてほしい
手軽で具だくさんのみそ汁


小学校6年生と1年生、2人の子どもの母親である向井。
2人とも男の子で、唐揚げやしょうが焼きといった肉料理が大好物。
「どちらもシンプルな味付けだから、大好きなその味を覚えて、そのうち自分たちで作ってくれるといいなと思います。」
子どもたちが大好きな味を引き継いで、ずっと食べ続けてくれたら、というのは、母としてのシンプルな願い。副菜として一緒によく作るのは、切干大根の煮ものやポテトサラダだそう。
「切干大根の煮ものは、にんじんやきのこ類を加えたりして、バランスよく食べてもらえるように工夫をしています。」
肉料理が好きな子どもたちのために、野菜を欠かさないようにと、母心が伝わる献立です。

同じような思いから、根菜やきのこをたくさん摂りやすい汁ものは、日々の食卓に欠かさない。
「みそ汁は、その時の旬の野菜など、いろいろな具材をたくさん入れています。手軽に作れて、栄養バランスもとりやすい。具だくさんにすれば、それだけでごちそうにもなるから、子どもたちには、大きくなっても日常で、食べ続けてほしいです。」
最近は、包丁を使いたい年頃で、子ども用の包丁で一緒に料理をすることもある向井親子。
「同じ食材でも、切り方を少し変えるだけで、味わいが全然変わるから、そんなことも教えてあげたいなと思っています。一緒に作ったみそ汁を、いつか自分一人で作れるようになって、大人になっても作り続けてほしいですね。」
子どもたちが自分で作るそのみそ汁を、いつの日か一緒に食べられるのを楽しみにしているような、やさしい母の表情が印象的でした。