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家族が好きな、おせちをひとつ

1年の締めくくりと、新しい年を迎えるための準備で徐々にあわただしさを増すこの時季。 お正月を迎える準備も、少しずつはじまっていきます。 おせち料理もふだんの食卓の延長上で、家族の好きな料理があると、お正月が楽しくなります。 暮らしや家族の人数に合わせて、献立や種類、味付けや分量を自由に作って、おせち料理を楽しんで。 1年の幸せを願って、心を込めて「わが家」のおせち料理を作り続けましょう。

わが家のおせちを作りましょう

〇栗原家の定番「母なます」

栗原家のおせちの定番といえば「母なます」。料理上手だった栗原はるみの母の代から作り続けられているオリジナルのレシピ料理。家族が大好きで、みんながよく食べる料理だけでも作り続けると、毎年のお正月の楽しみが増します。

ごまが大好きだった私の母は、正月の紅白なますにもごまを入れ、コクのあるごま酢あえにしていました。これがおいしくてうちの家族にも評判で、いつの間にか「母なます」と呼ぶようになりました。
ごまのほかにもうひとつ特徴があって、それは油揚げの白いところを入れること。油揚げの裏側をこそげ、ごまと一緒に丁寧にすり鉢ですると、まったりと濃厚なあえ衣になるのです。この母なますは他では見たことがないので、たぶん母だけの天下一品のレシピではないでしょうか。

栗原はるみ

すり鉢とすりこぎを使って丁寧にごまをすりましょう。するほどに、ごまの状態にあわせて手に伝わる感触が変わってくるのも道具ならではのおもしろさ。手仕事を楽しむうちに、ごまの芳香が立ちこめます。ねっとりするまでよくすって、和える大根とにんじんは水けをよく絞ります。このひと手間が、料理をよりおいしく、そしてごちそうに感じさせてくれます。

〇母なますのレシピはこちらから→

〇ふたつの煮物だれで、基本の「煮しめ」

おせち料理に欠かせない煮しめ。いろいろな野菜の組み合わせで作る煮しめは、素材に合わせて使える、2つの煮ものだれが強い味方になってくれます。

混ぜるだけの手軽に作れる基本のたれを2種(濃い口、薄口)準備しましょう。味と色をしっかりと煮含めたい食材には濃い口を。素材の色をいかして、きれいに仕上げたいものには薄口のたれを使いましょう。事前にたれを作っておくと、味もきまって調理もスムーズです。

〇煮ものだれのレシピはこちらから→

〇にんじんの煮しめ

おせち料理に彩りを加えるにんじんの煮しめ。色をきれいに保ちたいから、薄口のたれを使いましょう。花形にするとかわいらしく、華やかです。また2つのサイズで作ると、仕上がりに動きが出て楽しげになります。にんじんは厚みを持たせて型で抜くと、見た目にぜいたくで、食感もでるのでおすすめです。

〇手綱こんにゃくの煮しめ

ほんのひと手間かけて、手綱の形を作るだけで、切り口が増える分、濃い口の煮ものだれがよくしみこみます。網み目をきれいに真ん中につくるコツは、中央より少しずらして切り込みを入れること。ちぎれないように、丁寧にくるっと穴に通しましょう。手綱は「気持ちを引き締める」「良縁」などを意味するそう。七味唐辛子を添えたら、お酒もすすみます。

〇里いもの煮しめ

面取りを丁寧にして、薄口だれで仕上げる里芋の煮しめ。薄口だれで煮ることで、素材本来の色が際立ちます。日常で作る里芋の煮ものとは表情が異なり、盛りつけると形もひときわ美しく、お正月らしさがでます。六角形の形は、亀の甲羅に見えることから縁起がよいそう、煮崩れもしにくく、おいしく仕上がります。

〇煮しめのレシピはこちらから→

〇食感を楽しむ「酢れんこん」

酸味がきいて、味のアクセントにもなる酢レンコン。シャキシャキとした食感に、穴の開いた形、真っ白な色が美しい花のよう。レンコンは、向こう側が見えることから、見通しのおいい将来への思いが込められた、縁起のいい食材とされています。 煮しめと盛りあわせると、味と食感のアクセントにもなります。煮しめと酢れんこんだけでも、おせちらしい食卓に。

〇酢れんこんのレシピはこちらから→

家族や暮らしにあわせて
自由なしつらえ

〇好きなものを、好きな分だけ

四角いコンパクトな足つき膳で、ひとり分を取り分けた食卓作りは、家族だけで過ごすお正月にはぴったりです。それぞれの好きな料理を、好きな分だけ器に盛りつけましょう。華やかなあしらいの器をメインにひとつ置くだけで、お正月のおめでたい雰囲気が出ます。器の数を少なめにすると、余白が出て上品に仕上がりますよ。

手作りの料理と、買い足したお刺身などを組み合わせて、華やかさを出すのも贅沢でうれしいお正月の食卓。買ったものも、器に丁寧に盛りつけたら、立派なお膳のできあがりです。頑張りすぎずに、できる範囲で準備を楽しみましょう。

足つきのお膳には、懐紙を用いて、お雑煮だけをのせたり、酒器をセットするのもおすすめです。難しいと思わず気軽に使ってみると、自然になじんで食卓もお正月らしさを運んでくれます。

〇ふだんの器も上手に使って

お正月だからといって、それ用の器ですべて揃えなくても大丈夫です。ふだんから使っている白い器や小鉢、ガラスの器なども上手に組み合わせて、おせちの食卓を作りましょう。

〇懐紙で、丁寧に

懐紙を使うと、食卓はぐっとお正月の表情になります。器の下に敷いたり、箸袋を手作りして食卓のアクセントに。ひと手間加えて、お正月ならではの食卓の準備をしましょう。

〇華やかに、重箱で彩る食卓

せっかく家族がそろうお正月、腕を振るってお重に挑戦してみるのも。家族それぞれが好きな料理をひとつずつ詰めて、みんながうれしくなるような、おせちの食卓を作りましょう。品数が多くなったら日常で使っている器も自由に組み合わせて食卓を飾りましょう。和洋にとらわれず、テーブルセッティングを楽しんでくださいね。

〇取り皿の重ねづかい

取り皿は、サイズの違う器を組み合わせてセットすると、お祝いの席らしい食卓に。質感を揃えれば、同じシリーズでそろっていなくても統一感がでます。また、おせち料理に彩りを添えたいときは、緑の葉ものが重宝します。すだちやゆずの皮を器に仕立てるひと手間で、器も華やかに。 そのほかにも、小さな器を組み合わせると、かわいらしい雰囲気に。おめでたい形や、ふだんの食卓には難しい鮮やかな色や柄も、サイズが小さいと目立ちすぎずアクセントになります。新しい年のはじまり、お正月は思い切って飾り楽しむ工夫を。

食卓を彩る椿柄の取皿や梅型の小鉢など、お正月にぴったりなアイテムが揃いました。