栗原はるみがこれまでに数えきれないほど作ってきた、お菓子作りの原点ともいえるスパイスシフォンケーキ。甘さ控えめでスパイスの香りが大人っぽいシフォンケーキです。口の中でとろけるように、ふわふわの軽くてやわらかな食感に仕上げます。
おやつにはもちろん、ワインにも合うので、甘いものが苦手な方にも喜ばれます。
©【須藤敬一】扶桑社 haru_mi 2021年秋号
私が初めてシフォンケーキに出合ったのは、もう40年ほど前、専業主婦の頃でした。ふわふわの食感、口の中でとろけるような軽さ。こんなお菓子は見るのも食べるのも初めてで、本当に感激しました。それ以来、だれよりも上手においしく焼けるようになりたくて、何度も何度も練習をしました。どんなことも、やり続けて自信が持てることがひとつあれば、強くなれるのだと気づいたきっかけでした。
私にお菓子作りの楽しさと自信を与えてくれたシフォンケーキ。今でも、家族や仕事を一緒にしてくれるスタッフに感謝の気持ちをこめて、作り続けています。
栗原はるみ
材料
(直径17~18cm シフォン型1台分)
卵…大3個
グラニュー糖…1/2カップ(約90g)
サラダ油…1/4カップ
水…1/4カップ
薄力粉…3/4カップ(約80g)
ベーキングパウダー…小さじ1
[A]
シナモンパウダー…大さじ1/2
オールスパイス…小さじ1/2
クローブ…小さじ1/2
キャラウェイシード…小さじ2
スパイスシフォンケーキ作りの道具
- ボウル
- 粉ふるい
- ゴムべら
- 泡立て器
- ハンドミキサー
- シフォン型
- オーブンは170℃に予熱しておく。
- 卵は卵黄と卵白に分ける。
- 卵黄にグラニュー糖の半量を入れて混ぜ、泡立て器でもったりするまでよく混ぜる。
- サラダ油と水を順に加えてよく混ぜる(a)。
- 薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい入れ(b)、泡立て器でさっくりと混ぜ、[A]のスパイスも加え(c)、生地に粉っぽさがなくなりなめらかになるまで混ぜ合わせる。
- 別のボウルに卵白をハンドミキサーで6分立てに泡立て、残りのグラニュー糖を加えて角がしっかりと立つまでかたく泡立てる(d)。
※卵白がボウルを傾けても落ちないくらいしっかりと泡立てるのがポイント(e)。
- ③に④の1/3量を入れてゴムべらでよく混ぜ合わせ(f)、残りのメレンゲを2回くらいに分けて加え、白いところがなくなるまで手早く混ぜる(g)。
※始めの1/3量は、生地をなじませるために、手早くしっかり混ぜ合わせます。残りのメレンゲを加えるときは、さっくり混ぜ、生地を均等にすることがポイント。
- 生地を少し高い位置から型に流し入れる(h)。型ごと2~3回軽く台に打ちつけて余分な空気を抜く(i)。
- 170℃に予熱したオーブンで約35分焼いて取り出し(j)、逆さにして蒸れないように型の中央をびんなどの容器で支え(k)、よく冷ます。
※竹串を刺してついてこなければ焼き上がり。ふんわりした生地なので、焼きすぎるとかたくなり、焼きが足りないと型からうまく抜けません。焼き上がりをよく確認して。
- 型の内側と中央にナイフを差し込み、型を傷つけないように、生地を丁寧に型からはずし(l)、底の部分も同様にはずす(m)。食べやすく切って器に盛る。
※ケーキの外周をはずすときは、ナイフをケーキではなくシフォン型に沿うように、押し付けながら差し込み、少しずつ動かします。
ふわふわで軽い食感を味わってほしくて、生地を焼きすぎず、やわらかい状態で仕上げています。その分、型からはずすのが少しむずかしいので、丁寧に慎重にはずしてください。
シフォン型は、いろいろなサイズのものがありますが、直径17~18cmのミニシフォンは、少人数のご家庭や気軽なプレゼントにもぴったり。直径23~24cmのシフォン型の場合は、作り方は同様に、以下の分量で、焼き時間は170℃で45~55分を目安に作ってください。
材料
(直径23~24cm シフォン型1台分)
卵…大10個
グラニュー糖…1カップ(約180g)
サラダ油…1/2カップ
水…1/2カップ
薄力粉…2カップ(約220g)
ベーキングパウダー…大さじ1
[A]
シナモンパウダー…大さじ1/2~1
オールスパイス…小さじ1
クローブ…小さじ1
キャラウェイシード…大さじ2
おやつには、好みで粉糖を振りかけたり、ホイップクリームを添えて。甘さ控えめなので、チーズやピクルスを添えて、ワインと一緒に楽しんでも。生地のスパイスを抜けば、やさしい甘さのプレーンシフォンに。ほかにもバナナやココアを入れるなど、いろいろな味を楽しめます。また、クリームやフルーツなどでデコレーションしてもおいしい。高さがあるので見栄えもします。
いろいろなシフォンケーキレシピ