素材で選ぶ
白色粘土にガラス質の長石、珪石 (けいせき) を加えたものや、陶石を素材に使用している食器。ゆとりの空間の定番アイテム「白いうつわ」は白磁という素材を使っているものが多く、それらは磁器に該当します。お手入れが簡単で気軽に使えるのがポイント。ゆとりの空間の磁器は、主に愛知県(瀬戸焼) 、岐阜県(美濃焼)、長崎県(波佐見焼)、滋賀県(信楽焼)、佐賀県(有田焼)などで作られています。
粘土を主な素材として使用してできた食器。焼いた後の表面の色は、鉄分など土に含まれている成分によって変化します。温かみがあり、手になじむ質感で、経年により変化するため、その風合いを楽しめるのも◎ 温かい料理のときにはお湯に、冷たい料理のときには冷えた水に浸けることで、盛りつけた料理の温度を長く保ちます。ゆとりの空間の陶器は、主に栃木県(益子焼)、愛知県(瀬戸焼)、岐阜県(美濃焼)、 滋賀県(信楽焼)、三重県(萬古焼)などで作られています。
ハレの日に欠かせない漆器。天然木のうつわに漆(漆の木から採取し精製したもの)を塗った「漆器」と、天然木のうつわに合成塗料を塗ったものや、樹脂成型品のうつわに漆や合成塗料を塗った、「合成漆器」があります。おもてなしにはもちろん、お椀や取り皿などふだん使いにも取り入れやすいアイテムです。
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おもてなしに
ふだん使いに
釉薬や焼きもののお手入れについて
1、釉薬について
釉薬とは、陶磁器の表面に付着したガラスの層のことです。元々、陶器の吸水性を抑えるために、施釉したといわれています。
・種類について
色や風合いなど様々な種類がある釉薬。代表的なものは、トルコ釉(鮮やかなブルーの釉薬)、織部(深いグリーンの釉薬)、黄瀬戸(クリーム色の釉薬)などがあります。
・「貫入」について
釉薬の表面にできたヒビのことを、貫入といいます。あえて風合いを出すために貫入を出すことも。さらに、うつわを使えば使うほど貫入が入っていくので、経年変化を楽しめます。
・「釉だれ」について
一つひとつ人の手で施釉されているため、焼成時に釉薬が流れた跡が釉薬だれとして現れます。その「たれ」もまた、それぞれ違う表情で風合いとして楽しめます。
・「鉄粉」について
鉄粉は原料の粘土や釉薬に含まれる鉄分が、焼成時に酸化して黒点となり、器の表面に現れたものです。高温の窯でしっかりと焼かれたときに出るもので、丈夫で長持ちする器に特徴として現れます。
2、素材別食器のお手入れについて
長く使っていただくには、日頃のちょっとしたケアも大切。磁器・陶器それぞれのお手入れポイントをご紹介します。
磁器
比較的お手入れがしやすい磁器ですが、少し気を付けて扱うだけで、より長くご愛用いただけます。
<ふだんのお手入れ>
- 傷がつかないよう、研磨剤の入っていないやわらかなスポンジと食器洗い用洗剤で洗う。
- メラミンスポンジを使ってきれいにする場合は、プリント(柄)部分が剥がれてしまう可能性があるため、避けて使う。
- 食器洗浄機へ入れる際は、割れや欠けを防ぐため、間隔をあけて収納する。
陶器
吸水性のある陶器。目止めやふだんのケアで、汚れや臭いをつきにくくすることができます。
<初めて使用するときは>
- 米のとぎ汁、もしくは水に小麦粉や片栗粉を溶かしたものを、器がかぶるくらい鍋に入れ、器を鍋に入れた状態で、弱火で沸騰させる。
- 沸騰したら火を止め、そのまま冷まし、冷めたら取り出して洗い、十分に乾燥させる。
<ふだんのお手入れ>
- 使用前にきれいな水につけると、汚れが染み込みにくくなる。
- 使用後は汚れがついたまま、長時間放置せずに洗い、風通しの良いところで十分に乾燥させる。